インドネシアで憲法といえば、インドネシア大学のDr. Jimly Asshiddiqie教授が著名です。以下の書籍は、インドネシア憲法について、英語で書かれている数少ないインドネシアの法律書です。
ちなみに、提携先 のAsshiddiqie, Pangaribuan & PartnersのRobby Asshiddiqie弁護士はJimly教授の息子です。
他にも、有名な教授や弁護士の子息が、弁護士などの法律家になっているパターンは多く、インドネシアでは、親や兄弟も法律家というパターンが多いですね。
これは、弁護士に限らず、医者も同じような状況のようです。
日本では、医者や弁護士の子が、親と同じ職業に就く例が多いですが、インドネシアでも状況は同じようです。
さて、以下は、2015年11月11日のブログ記事の移管です。
憲法裁判所
授業の一環で、憲法裁判所を見学してきました。
憲法裁判は、法廷の他に、博物館が併設されており一般に開放されています。
憲法を軸に、独立前後から現在に至るまでのインドネシアの歴史が展示内容となっており、博物館としても見ごたえがありました。
また、憲法裁判所自体、1999~2002年の一連の憲法改正後に設置されたものなので、建物などは新しく、特にディスプレイ設備はハイテクな印象を受けました。
国家独立記念塔(モナス)の隣にあるので、観光スポットとしてもお勧めです。
日本には、憲法裁判所がないので、日本人にとっては馴染みがないものと思います。
では、憲法裁判所がどのような事件・事項を取り扱っているかというと、以下のとおりです。
(1)法律の違憲審査
(2)憲法が付与する政府機関の権限に関する紛争
(3)選挙結果に関する紛争
(4)政党の解散
(5)大統領・副大統領の弾劾手続きにおける要件適合性審査
このうち、政党の解散についてまで、憲法裁判所の判断を要するという制度設計は、興味深いですね。
政党は、民主主義(選挙)において重要な役割を果たすことから、時の統治者により恣意的に解散させられることのないように、その解散に司法判断を要求しているようです。
インドネシア憲法は、日本国憲法と異なり、その条項中で「政党」に言及しており、その重要性に重きをおいています。
なお、憲法裁判所の裁判官は9名で、DPR(立法機関)、大統領、最高裁判
から3名ずつ指名されて、選任されます。
大法廷は9名、小法廷は3名の裁判官から構成されます。
ちなみに、小法廷は、このような感じでした。
弁護士 味村祐作
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